当イニシアティブについて
設立の背景
新型コロナウイルス感染拡大により世界のツーリズム業界は大きな打撃を受けたものの、その後急速に回復し、国際観光到着客数は2024年には14億人、2025年には15億人を超え、コロナ禍前を上回り、さらなる伸びが期待されています。
観光セクターは観光需要の急速な回復に対し、サステナビリティや地球環境問題への対応、オーバーツーリズム、観光人材不足等の課題に対応しつつ、持続可能なツーリズム事業や観光地域経営の再構築に取り組むことが求められています。
2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の17の開発目標のうち、観光に直接言及しているものは3つですが、国連世界観光機関(UN Tourism)は、観光はSDGsの17すべての目標達成に貢献できるとしています。また、UN TourismとJICAは、2023年に「観光を通じたSDGs達成 – 観光プロジェクトのための指標ツールキット(TIPs) 」を刊行し、観光関係者がどのような活動を行えばSDGsに貢献可能かを示しています。
日本においては、2019年に北海道の倶知安で開催されたG20観光大臣会合等を皮切りに、国土交通省や観光庁による持続可能な観光への取組みが加速化し、日本版持続可能な観光ガイドラインの策定・定着が進められています。
サステナビリティ推進は社会の関心事でもあり、調達においてもサステナビリティ推進を軸とした企業の社会的責任は多様化しています。また、SDGs達成にむけ、事業を通じ社会課題へ取り組むCSV(Creating Shared Value)の潮流も加速しており、ツーリズム業界においてもバリューチェーン上で事業を展開するステークホルダーが同じ価値観を持って対応していく必要があります。
しかしながら、ツーリズムを現場で担う多くの中小事業者は、人材不足もあって、サステナビリティをはじめとしたグローバルな課題への実践的な対応や、観光インフラ・資産への投資が難しい状況にあります。こうした中、観光におけるサステナビリティの推進につながる実践的かつ具体的なガイドライン・基準により、観光セクター内での共通認識の醸成を進め、それらを促す投資や事業といった行動を進めていく枠組みが重要です。
一方、消費者である旅行者は、コロナ禍を経て、地域社会への貢献や自然環境配慮といったサステナビリティに対する意識が高くなっており、観光セクターとして、そうした旅行者ニーズに応えることが顧客に選ばれる観点からも重要になっています。

設立の目的
UN TourismとUNEPによるサステナブルツーリズムの定義(旅行者、観光関連産業、自然環境、地域社会の需要を満たしつつ、経済面・社会面・環境面の影響も十分考慮に入れた観光)に賛同し、サステナブルツーリズム推進に関心の高い団体が集い、日本のライフスタイルや価値観を踏まえた、実践的かつ持続可能な観光の考え方と枠組みを共創・普及・実践すべく、事業者・旅行者・地域住民が連携してツーリズムにおけるサステナビリティを実現するプラットフォームとして、一般社団法人日本サステナブルツーリズムイニシアティブを設立しました。
グローバル市場でサステナブルツーリズムの推進をリードする国内外の観光機関(UN Tourism、WTTC、PATA、観光庁、JICA、ISO、GSTC等)のノウハウとネットワークも活用し、日本の観光地や観光業がサステナビリティ先進地モデルとなるよう活動を進めていきます。
理事・監事・事務局
JSTi代表理事・JSTi会長
一社)日本エコツーリズム協会 会長
東京商工会議所 副会頭田川 博己
株式会社JTB代表取締役社長、会長、日本旅行業協会会長、WTTC(World Travel & Tourism Council)世界旅行ツーリズム協議会副会長を歴任、現在は、東京商工会議所副会頭、日本商工会議所特別顧問、日本エコツーリズム協会会長、ジャパンショッピングツーリズム協会会長、関東広域観光機構会長、山陰インバウンド機構会長、気象庁地球ウオッチャーズ気象友の会会長、WTTCアンバサダー、東京都、福井県、鳥取県その他の観光アドバイザーを務め、観光振興と観光人材育成に取り組んでいる。
著書「観光先進国をめざして」(中央経済社)ほか、共著多数。
JSTi副会長
一般財団法人アジア太平洋観光交流センター 理事長本保 芳明
初代観光庁長官。世界観光倫理委員会委員等を経て、2016年より2025年まで国連世界観光機関(UN Tourism)駐日事務所の代表に就任。持続可能な観光の推進を責務とするUN Tourismの駐日事務所代表として、UN Tourismの持続可能な観光に関する枠組みを普及するとともに、政府、自治体、業界団体等に対して国際的な視点から提言や技術支援等を行い、日本における持続可能な観光に向けた取組を促進した。
JSTi理事
一般社団法人日本旅行業協会 理事・事務局長德野 浩司
1986年 東急観光株式会社(現:東武トップツアーズ株式会社)入社。海外旅行部長や経営戦略部長、企画仕入本部長、取締役執行役員管理統括本部長などを歴任。2022年からは同社サスティナブル経営委員会にて議長を務め、持続可能な観光に向けた取り組みを推進。2026年6月より一般社団法人日本旅行業協会(JATA)理事・事務局長に就任。
JSTi理事
㈱ JTB総合研究所 代表取締役 社長執行役員風間 欣人
㈱日本交通公社(現JTB)に入社し、㈱JTB執行役員グローバル事業本部副本部長、㈱JCBトラベル代表取締役社長を経て、現在は㈱JTB総合研究所の代表取締役社長執行役員として活躍。立教大学観光学部の特任教授も兼任し、将来ツーリズム産業を目指す学生たちに対し、サスティナビリティをテーマとした旅行商品の企画開発や地方創生に向けた革新的な提案を指導し、学生たちは地域資源を活かした持続可能な観光の推進に必要な知識と実行力を身につけている。産学での実績は、観光業界における持続可能な発展への貢献として高く評価されている。
JSTi理事
国際協力機構 理事長特別補佐中村 俊之
JICA(国際協力機構)にて30年以上、政府開発援助事業に従事。南アフリカに2回(計7年)、ワシントンD.C.(3年間)に駐在。産業開発・公共政策部長時代に、途上国における観光資源・ポテンシャルに着目し、UNWTOとの共同事業として、途上国における観光開発事業のSDGs貢献のための指標づくり、人材育成を推進。現在も海外協力隊の地域開発における観光分野等を支援。
JSTi理事
一社)日本エコツーリズム協会 運営役員山田 桂一郎
2005年に観光カリスマ(内閣府・国土交通省(観光庁)・農林水産省 認定):「世界のトップレベルの観光ノウハウを各地に広めるカリスマ」として、これまでの欧州を中心とした環境保全(環境保護・保全活動プログラム、環境教育、環境アセスメント等。海外在住者として初めて日本の環境省に登録された環境カウンセラー)と世界各地における滞在プログラム・ツアーの実施と観光・集客交流の事業化、マーケティング、ブランディングの経験を活かし、観光・地域振興(まちおこし・自立型地域経営、人材育成、中心市街地・商店街活性化、一次産業支援等)に関する講演やセミナーの講師として全国各地から招聘されている。また、地域振興のコンサルタントとして多方面で様々な事業化(特に地域経営マネージメントの組織化)を進め、多くの実質的な成果と結果を残す。2011年には週刊日経ビジネス誌において「次代を創る100人」の一人として選出された。
JSTi理事
㈻ 立教大学観光学部 教授橋本 俊哉
専門は観光行動論。国内外の自然観光地域に関する委員、国のインバウンド受け入れ事業に関する委員を歴任。東日本大震災以後は、学生たちと毎年岩手県宮古市ならびに福島県磐梯山地域で復興支援、地域振興に取り組んでいる。
JSTi理事
(株)JTB秘書室シニアディレクター(国際関係統括)熊田 順一
訪日インバウンド事業で実践経験を積み、2014年から国連世界観光機関/UN Tourism(マドリッド)本部において日本人初の職員として勤務。UN勤務中にSDGsと観光の研究を開始し、JTB総合研究所において同研究を継続。内閣府SDGs官民連携プラットフォーム分科会において地方創生SDGs達成に貢献する観光分科会を主宰。
JSTi監事
㈻ 東京女子大学現代教養学部 教授藤稿 亜矢子
専門は環境保全学、博士(環境学)。自然環境の保全と持続可能な利用に関わる研究を経て、2005年よりWWF(世界自然保護基金)ジャパン勤務。国内外の政府、企業と協働しプロジェクトに取り組む。特に「地域コミュニティを主体とした自然保護」を研究対象とし、観光は、地域を主体として保全と利用の双方に関連する産業として重視。一般社団法人環境情報科学センター理事、群馬県多々良沼・城沼自然再生協議会専門委員、UNWTO(国連世界観光機関)アジア太平洋サステナブルツーリズム推進センター有識者委員、内閣府地方創生とSDGs達成に関する勉強会有識者委員ほか。
JSTi監事
一社)日本エコツーリズム協会 監事武藤 修一
JTBにて長年にわたり、法人営業に携わる。亀戸支店長、法人営業上野支店長、本社にて、業界対応・危機管理部長、総務企画担当部長、秘書室長を歴任後、現在、本社総務企画政策担当秘書と日本エコツーリズム協会監事を務める。
JSTi常務理事・事務局長
JTB総合研究所上席主任研究員小澤 信夫
法人営業、旅行商品造成、訪日インバウンド事業等に従事。2017年から2020年まで、スペイン・マドリードに本部を置く国連世界観光機関(UN Tourism)アジア太平洋部門に勤務。現在は、持続可能な観光や観光危機管理、地域の観光計画策定等に関する調査研究に従事。

JSTi 組織概要
名称:一般社団法人日本サステナブルツーリズムイニシアティブ
(英文名称 Japan Sustainable Tourism Initiative, 略称JSTi)
所在地:〒105-7106 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター6F(JTB総合研究所内)